SNS相談の基本スキルと注意点

SNS相談の難しさ

SNS相談には、対面の相談や電話相談に比べてデメリットもあります。

SNS相談のデメリット

・文字だけなので把握できる情報が限定される。
・非言語情報(表情やしぐさなど)によるところが大きいカウンセリングなどには向かないという指摘もある。
・チャットで1対1で話していると、会話の中に主語がないことが往々にしてある。そのため、主語の確認を怠ると、その相談の中身が誰の話かわからなくなっていまうこともある。
・電話ではたたみかけるように質問できることも、SNSではそのやりとりがもどかしい。そのため、電話にすれば5分で済む相談も、SNSでは30分かかるといわれている。

SNSには以上のようなデメリットもあるため、このようなことを考慮しながら、SNS相談を行っていくのかを判断していく必要があります。

また、相談の際に相手の状況を聞き出すには、相手への思いやりも大切です。

「質問ばっかりでごめんなさいね。心配だったので、いろいろ教えてほしいです。」などと付け加えると、理解を得やすくなると思います。

言葉づかい

基本的には「です」「ます」口調で対応します。相手に敬意を払うことが大切です。

ただ、相手が若かったり、くだけた話し方をしたりする場合は、丁寧すぎる言葉を使うと距離感が生まれてしまうこともあるため、ややくだけた口調で対応するなど、一人一人に合わせた対応をすることが必要です。

でも、若い相談者の方でも「〇〇だよね」「〇〇なの?」などとくだけた言い方にすると、ばかにされたと不愉快に感じることもあります。

迷ったときには「敬語を使わないほうがいいですか?」「言葉を崩したほうが話しやすいですか?」などとたずねてみましょう。「硬い言葉だと話しにくいので、少し柔らかめで」と相手から言ってくれる場合もあります。

話を広げていくための質問力

相手に何を聞いたらいいのかは、相手の状況や心境に思いをはせることが大切です。

相談員の側が「もしかしたらこうなのでは?」と思ってたずねてみましょう。

SNS相談に入ってくる人の中には、電話で相談するのはハードルが高いと思っている人も多く含まれます。相談の入り口となったSNSの相談員が丁寧な対応をして、安心できる相談になれば、その相談者は「ここだったら本当のことが話せるかも」と思ってくれるかもしれません。そこで信頼されれば、次のステップである電話相談につなぐ糸口にもなります。

参考文献

『DV・性暴力被害者を支えるためのはじめてのSNS相談』(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター編)

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