◯ハイリスク家庭

 

 様々な病気や障害、社会的な困難を抱えている保護者や、ステップファミリーなど家族構成が複雑な家庭が増えています。

 このような家庭は地域の中で孤立しがちで、養育困難や虐待につながっていく可能性が高まることから、ハイリスク家庭と呼ばれています。

 

▶ステップファミリー

 保護者のどちらか、あるいは両方に子どもがいる状態で結婚してできた家族。

 親子関係は実子、養子、継子など様々な組み合わせになりますが、血縁関係のない親子関係が家庭内に存在していることが共通しています。

 男性が若年の場合、父親という意識は希薄になりがちで、子どもと愛着関係を築くことができず虐待につながる危険性があります。

 反対に父親として厳しいしつけを期待されていると気負って厳しく接し、それに子どもが反発したことがきっかけとなり虐待をしてしまうこともあります。

 

▶若年出産・産後うつ

 未成年期の望まぬ形での妊娠による若年出産や、産後うつなどが見られる場合は「特定妊婦」として保健師が出産後も経過を見ていきます。若年の母親は母親自身が精神的に未成熟で、子育ての仕方もわからず不適切な養育をしてしまっている場合があります。また、同世代の母親が少ないために孤立してしまうこともあります。

 

▶貧困家庭

 現在7人に1人の子どもが貧困家庭で育っていると言われています。金銭的な事情から十分な衣食が保証できない場合がある他、保護者がダブルワークなどで昼夜問わずに働いているため、子どもの養育が行き届かない場合もあります。また、ひとり親家庭の場合、夜間の仕事のために子どもだけで留守番をさせている危険性もあります。経済的支援としては生活保護やひとり親家庭への支援などを受けることができますが、見た目にはわからないこともあり、気づきが遅れてしまうことにも注意が必要です。

 

▶精神疾患・パーソナリティ障害・発達障害

 保護者が精神疾患、パーソナリティ障害、発達障害などを抱えている場合は、症状や周囲の状況にもよりますが、子どもの養育そのものが精神的負担となり虐待につながることがあるため、関係機関が連携して養育支援を行う必要があります。子どもが日中を保育園で過ごすことは、親にとって育児支援となり、子どもにとっても親の状況を伺わずに安心して過ごせる場の保障になります。知的障害や精神疾患の診断があると受けられる家事や育児の支援もあります。一方で、情緒の不安定さなどが見られても、医療機関につながっていないために公的な支援の網からこぼれ落ちてしまうことも多々あります。保育園から保健所へ、など関係機関への発信が重要です。

 

◯ハイリスク家庭への支援のポイント

①なるべく早い段階から支援していく

 乳幼児期や出産前の段階からハイリスク家庭を把握して早期に支援に入ることが虐待予防となります。その点からも、保育園に入園すること、保育園の気づきと見守りは重要です。

②子どもはどんな状態に置かれているかを見る

 子どもにとって必要な養育を「やれなくてやらない(病気を抱えている、経験不足など)」ように見えることもあれば、「やれるのにやらない(収入はあるのに衣服を十分与えないなど)」ように見えることもあり、養育困難かネグレクト(虐待)かの線引きが難しいことがあります。

 どうしてやらないのか探ることは重要ですが、子どもの置かれた状況を把握し、支援が必要かどうかを見極めることが大切です。

 

③「〇〇の家庭だから」と決めつけない

 ハイリスク家庭だからといって必ず虐待につながるわけでも、他と比べて問題が軽いからといって大丈夫とも限りません。

 「〇〇の家庭だから」と決めつけてかかると、各家庭の状況や変化をありのままにとらえられなくなり、保護者との関係を悪化させるばかりか、せっかく芽生えた解決の糸口を見過ごしたり、逆に危険な事態に気づけなくなったりするので要注意が必要です。

④地域で見守ってくれる人を増やす

 ハイリスク家庭は、長期的な見守りが求められることがほとんどです。地域に家族のことを理解し見守ってくれるキーパーソンを見つけることが支援の目標の一つとなります。状況そのものは好転しなくても、周りに理解者がいるかどうかで、保護者の心持ちは大きく変わりえます。

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