性暴力の潜在化

今日において、性暴力被害を相談することは容易ではありません。

 

法務省法務総合研究所の「犯罪被害実態(暗数)調査」(2020年)によれば、性的事件(セクハラを含む)の被害を受けた人で届け出をした女性は14.3%にすぎず、性的事件の被害申告率はきわめて低いです。

 

申告しなかった理由で最も多いのは

「重大でない、大したことでない」(35.7%)、

「被害届を出す方法が分からなかった」(28.6%)

です。

 

また、警察庁の「犯罪被害類型別調査」(2017年)では、性暴力被害を受けても警察に通報しなかった人が75.7%を占める。これは交通事故(4.7%)や殺人・殺人未遂・傷害など(43.7%)に比べると相当高いです。

 

強姦に対する誤った思い込みに、「大声で助けを求めるべきだ」「激しく抵抗するべきだ」そうでなければ、不自然だというものがあります。

 

しかし、被害者からはむしろ、「恐怖で声も出なかった」「頭が真っ白になって身体が固まった」「何もできなかった」という経験が語られることも多いです。

 

被害者が責められることのないような社会を作っていくことが重要です。

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