DV法制定の意義
2001年、配偶者暴力防止法(以下、DV法)が制定されました。
従来、DVは「夫婦げんか」や「痴話げんか」程度のものだとして、人権問題とは考えられてきませんでした。
しかし、DV法制定によって、DVは国家が責任を持って防止すべき人権侵害と位置づけられ、暴力の被害を受けた人はDV「被害者」として、国家が保護し支援すべき対象になりました。
近代法の原則では、私的領域への国家の介入は抑制すべきだとされてきましたが、その近代法の「法は家庭に入らず」という原則を打破したのがDV法です。
DV法は、家族という密室の空間に国家が積極的に介入しなければ、DV被害者は「暴力被害から解放されない」という考えを示したところに意義があります。