性暴力の定義
日本では現在(2021年)もなお、性暴力の明確な定義はありません。
刑法では、性犯罪として強制性交等罪、強制わいせつ罪などが処罰の対象として規定されているだけです。
しかし、刑法の「性犯罪」はきわめて限定的で、現行法下では、人身売買罪(刑法)、ストーカー罪(ストーカー行為規制法)、児童買春罪(児童買春・児童ポルノ禁止法)などが性暴力として個別に規定しているにすぎません。
DVやセクハラにおける性暴力は、DVでは保護命令違反以外は犯罪化されておらず、セクハラ行為禁止規定も「セクハラ罪もない」現状であり、セクハラやDVが刑事処分の対象になるにはハードルが高いです。
そのため、刑法の「性犯罪」の対象範囲が狭いことにより、多くの性暴力が見逃され、加害者の法的責任が問われず、放置されてきたといえます。