DVの複合的な影響
DVの影響は多岐にわたります。
度重なる外傷や骨折などにとどまらず、鼓膜が破れる、歩行が困難になるなど、日常生活に著しく支障をきたすほどの後遺症に苦しむ人は少なくありません。
けがや病状の程度がひどいにも関わらず、治療費が支払えないので悪化することも珍しくありません。
内科や外科だけでなく、歯科や眼科、心療内科、精神科など、ほとんどの診療科が関わるのもDV被害の特徴です。
不眠や自信喪失、自己評価の低下や人間不信、自殺念慮などのメンタルの不調だけでなく、流産や早産、度重なる中絶、低体重児の出産など、妊娠や出産への影響もあり、ストレスから飲酒率や喫煙率が高まる傾向が見られます。
中でもPTSDやうつなど、精神的健康への影響は見過ごせません。
「自立」とは一般的には就労による経済的自立を意味すると受け取られがちですが、
DVでは、就労支援や生活支援の前に、十分な精神的ケアを行って被害からの回復を図ることが必要となります。